北米

2025.06.10 14:00

トランプへの怒りを「沈静化」するマスク、和解を探る可能性

2025年5月30日、ホワイトハウスを訪れたイーロン・マスク(Photo by Tom Brenner For The Washington Post via Getty Images)

2025年5月30日、ホワイトハウスを訪れたイーロン・マスク(Photo by Tom Brenner For The Washington Post via Getty Images)

イーロン・マスクは米国時間6月8日、ロサンゼルスで続く抗議デモを非難するトランプ大統領とJ・D・ヴァンス副大統領のX(旧ツイッター)の投稿をリポストした。この動きは、マスクが先週激しく対立したトランプへの怒りをクールダウンさせて、和解の可能性を探るかもしれないことを示唆している。

マスクは、アメリカ国旗の絵文字をふたつ添えてヴァンスの投稿をリポストしたが、この投稿は、トランプが「移民が起こした暴動」と呼ぶロサンゼルスの抗議デモを中止するよう呼びかける投稿を引用したものだった。

彼はまた、カリフォルニア州のニューサム知事とロサンゼルスのバス市長が、州兵の派遣に反対したことを非難するトランプのトゥルースソーシャルの投稿の画像もリポストした。

マスクはさらに、トランプの名が「エプスタイン・ファイル」に含まれていると主張した以前の投稿を削除し、トランプの弾劾を支持する内容の投稿も削除した。彼は先週、「トランプは私の助けがなければ当選していなかった」「恩知らずだ」などと立て続けにXに投稿したが、週末以降はトランプに対する攻撃をやめている。

不法移民の一斉摘発を発端とした抗議デモへの対応をめぐり、トランプ政権とカリフォルニア州の議員らは激しく対立している。トランプと彼の政権の幹部は移民への敵意をあらわにした言葉でデモ活動を非難し、州兵2000人の派遣に続いて9日に海兵隊700人を動員すると発表した。

マスクとトランプは、数カ月にわたって蜜月関係にあったが、5日にふたりの決裂が表面化した。マスクはトランプが掲げる大型の税制・歳出法案の「ワン・ビッグ・ビューティフル・ビル(大きく美しい法案)」を繰り返し非難し、「法外で醜悪な利益誘導の塊」「おぞましく忌まわしき法案」とまで呼んだことでトランプを激怒させた。

マスクは、この法案が財政赤字を拡大させると非難しているが、トランプとその支持者は彼がこの法案に反対するのは、電気自動車(EV)向けの税額控除の廃止が盛り込まれているからだと主張している。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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