大きな円筒を回転させてマグヌス効果による推進力を得る回転式の円筒帆が、大型船舶の燃費を大幅に削減できると注目され導入が進んでいるが、その多くはモーターで帆を回転させる仕組みだ。同じ効果を使った円筒帆でも風の力で帆を回転させる「風車帆」は、モーターやそれを回す電力がいらないばかりか、逆に風の力で発電までできるという画期的なものだ。
除雪ドローンや無人帆走ドローンなど、陸上や海上でのドローン技術の応用を進めるエバーブルーテクノロジーズは、次世代の風力推進システムを搭載し、長時間の無人航行を可能にする「帆船型ドローン AST-201 spec1.4 with Windmill Sail 」のプロトタイプを発表した。
っっc全長1.4メートルのこの小さな船に細長い煙突のように立っているのは、モーションコントロール技術に特化したナブテスコが開発中の「風車帆」だ。円筒帆と垂直軸風車を融合させることで、帆を回転させる動力の必要をなくした。これに風が当たると、風向の90度の方向に揚力が生じる。それをマグナス効果と呼ぶ。
そのため「AST-201 spec1.4」は、完全なゼロエミッション船ということになる。「長時間の洋上調査や観測業務、再生可能エネルギー自立型システムの研究に理想的なプラットフォーム」とのこと。この技術は小型ドローンから大型タンカーにまで応用が可能だが、まずは両社が共同で小型の実証モデルを開発し、ニーズを探っていくということだ。