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2025.05.26 17:00

マレーシアの激安チェーン「Eco-Shop」が上場、創業者が資産1846億円の富豪に

SsCreativeStudio / Shutterstock.com

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マレーシア最大のディスカウントストアチェーン「Eco-Shop(エコショップ)」運営元のEco-Shop Marketing(エコショップ・マーケティング)が5月23日、マレーシア証券取引所に上場した。これを受け、同社の創業者で筆頭株主のリー・カー・ワット(52)は推定13億ドル(約1846億円。1ドル=142円換算)の資産を持つビリオネアとなった。

エコショップは、1株あたり1.13リンギット(約38.3円。1リンギット=33.9円換算)で3億4700万株の新株を個人投資家に販売したことに加えて、5億1500万株の既存株式を機関投資家に販売して合計9億7400万リンギット(約330億円)を調達した。同社は、4月に開示した新規株式公開(IPO)の目論見書では、IPO価格を1株1.21リンギット(約41円)と予定していたが、そこから価格を引き下げた形だ。

価格の引き下げの理由を同社は明かしていないが、クアラルンプールの楽天トレードのリサーチ担当副社長のトン・パク・レンは、「投資家に追加の上昇余地を提供するため」と分析した。エコショップの株価は23日午前に一時10.6%上昇し1.25リンギット(約42.4円)の高値を付けたが、その後はやや下落して、終値は1.20リンギット(約40.7円)だった。

家庭用品を1点2.60リンギット(約88.1円)の固定価格で販売する格安チェーンを運営するエコショップは、IPOで調達した資金を配送センターの建設や、店舗ネットワークの拡大、負債の返済に充てる予定という。

リーは、2003年に兄のリー・チョン・ビンと2人のパートナーと共にエコショップを創業し、マレーシア国内で350店舗以上を展開するまでに成長した。同社の売上高は2024年に前年比26%増の24億リンギット(約814億円)を記録し、純利益は70%増の1億7700万リンギット(約60億円)に急増していた。

「エコショップは、今後の5年間で毎年約70店舗を新たにオープンする計画であり、今後も2桁成長が見込まれる」と楽天トレードのトンは述べている。

リーは、同社の事業拡大に加えて慈善活動にも積極的に取り組んでいる。マレーシア社会起業家財団の理事を務めており、2023年にトルコ南部で発生した地震の被災者支援のために、駐マレーシア・トルコ大使に100万リンギット(約3390万円)を寄付していた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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