トランプ米大統領が設立したトランプ・オーガニゼーションは、ベトナムの不動産大手キンバック・シティの子会社と共同で、ハノイ近郊のフンイエン省にゴルフ場を中心とした複合施設を建設しようとしている。
2027年の完成を目指すこのプロジェクトの投資額は、総額15億ドル（約2160億円。1ドル＝144円換算）規模とされる。現地では5月21日に起工式が開催され、ファム・ミン・チン首相も出席した。
キンバック・シティのダン・タン・タム会長は、トランプ・オーガニゼーションが発表した声明の中で「フンイエン省は、アジアにおける最高のゴルフリゾートになろうとしている」と述べている。
紅河沿いの約990ヘクタールの敷地（訳注：東京都千代田区の面積約1164ヘクタールに近い）に建設されるこのリゾートには、全米オープンを2度制したプロゴルファーのブライソン・デシャンボーが設計するトランプ・ブランドのゴルフコースや5つ星の豪華ホテル、高級ヴィラなどの施設が建設される。
「ベトナムは、世界で最もダイナミックで活力あふれる潜在力のある市場のひとつだ。私たちは、この国にトランプのブランドを送り込めることを非常に誇りに思っている」と、トランプ・オーガニゼーションの副社長で、トランプ大統領の息子であるエリック・トランプ（41）は声明で述べている。
現地メディアによると、彼とトランプ・オーガニゼーションの幹部らは22日に、ホーチミン市内のトゥーティエム商業地区で予定している別のプロジェクトについても協議する予定という。
トランプ・オーガニゼーションは、世界各地のゴルフ場やホテル、オフィスビル、リゾートなどにブランドをライセンス供与している。同社はまた、インドネシアの富豪ハリー・タヌスディビョが率いる財閥のMNCグループとの提携を通じて、ふたつのゴルフ場とホテルの建設も進めている。
フォーブスはトランプの保有資産を53億ドル（約7632億円）と推定している。彼の資産のうちの多くを不動産が占めている。
