キャリア

2025.05.19 11:30

大卒でなくても年収1700万円、2035年までに需要が64%増加する仕事 米国

Shutterstock.com

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米国のホワイトカラーの求人市場では大きな雇用格差が生まれている。そうした中、求職者が注目している仕事がある。プロジェクトマネジメントだ。この職種は将来性があり、給与はよく、大卒でなくてもいい。平均給与は年12万ドル(約1700万円。1ドル=145円換算)で、2035年までに3000万人の労働者が必要といわれている。

人工知能(AI)が進歩している現代でも(今のところ)AIが及んでいない仕事もあり、複数の業界が現在、人手不足に直面している。プロジェクトマネジメントはあなたのキャリアに合っているだろうか。高収入のプロジェクトマネジメント職を得る方法と、この仕事で成功するために必要なスキルを紹介しよう。

プロジェクトマネジャーの業務内容と資格

プロジェクトマネジャー(PM)はプロジェクトを計画・体系化・指揮し、スケジュールや予算、品質、安全基準などを管理しながら期日までにプロジェクトを完成させる。米メトロポリタンカレッジ・オブ・ニューヨークの非常勤教授でプロジェクトマネジメントの専門家であるオルドナ・サージェントは「プロジェクトマネジャーはビジネス能力と成果をつなげる仕事だ」と説明する。

サージェントによると、プロジェクトマネジャーは人間が担う職だという。「この役割におけるソフトスキル、つまり人の話を聞くことやKPI(重要業績評価指標)を理解することが重要だ」と指摘する。AIについてはどうだろうか。近い将来、AIに取って代わられる仕事なのだろうか。これについてサージェントは交渉や潜在的なリスクと結果の予測分析に関するスキルに言及しながら、「人の手をかなり必要とするプロセスにテクノロジーツールを投入することは必ずしも解決策になるとは限らない」と語る。プロジェクトマネジメント協会(PMI)によると、プロジェクトマネジャーの1日の9割は意思疎通に費やされるという。だが、問題解決能力や適応力、戦略的思考もこの仕事には不可欠だ。

PMIによると、プロジェクトマネジャーには複数の資格がある。最も知られているプロジェクトマネジメントプロフェッショナル(PMP)の資格は試験を受けて取得でき、受験料は数百ドル(数万円~十数万円)だ。この資格の受験コースの費用はさほど高くない。米テキサス州ヒューストンのライス大学は12週間のPMP準備コースを提供しており、授業料は1995ドル(約29万円)だ。米インディアナ州に本部を置くプロジェクトマネジメント・アカデミーは全米各地で出張授業を似たような授業料で提供している。サージェントは「本やオンライン記事もあり、YouTubeでも学べる」と笑いながら言う。

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翻訳=溝口慈子

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