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2025.05.23 13:30

イーロン・マスクが裕福にした12人、恩恵を受けた人たち

イーロン・マスク

マスクが裕福にした人たち

グウィン・ショットウェル
純資産 約12億ドル

マスクが6つの会社と政府効率化省関連の業務に気を配るなか、ロケットに携わる人間は必要だ。それが長年スペースXの社長を務めるグウィン・ショットウェルだ。中小のロケット会社に勤務した後、2002年にスペースXの11番目の従業員として入社。スペースXのオフィスにかつての同僚を訪ねたマスクと出会った。イーロンは彼女に感銘を受け、営業担当副社長という新しい職に応募するように勧めた。「1カ月ほどためらった」がその仕事を引き受けたと、彼女はかつてスタンフォード大学の学生たちに語っている。スペースXの価値は現在、非常に高くなり、彼女が保有する推定0.3%の株式でさえ、10桁の価値がある。

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JB・ストラウベル
純資産 約16億ドル

スタンフォード大学でエンジニアリングを学んだ。2003年にキャンパスでの講演でマスクと出会った当時、バッテリー駆動の飛行機に取り組んでいた。テスラの初期、極めて重要な役割を果たした彼は、設立直後のEV企業に5番目の従業員として入社、最高技術責任者としてバッテリーパックと電気モーターの開発を推進した。マスクを除けば、創業時の経営陣のなかで唯一現在もテスラとかかわっている。19年にCスイート(最高幹部)を離れ、自身が設立したEVバッテリーリサイクル企業レッドウッド・マテリアルズを経営するために転身。12年以上にわたり税引き後で10億ドル相当のテスラ株を売却している。23年にテスラの取締役会に復帰した。

キンバル・マスク
純資産 約9億ドル

1995年、兄であるマスクの最初のスタートアップであるオンライン都市ガイドZip2と、PayPalの前身であるX.comの立ち上げを支援した。2022年までスペースXの取締役。テスラ株の売却によって、トランプ大統領就任後の2月の1600万ドルを含め、1億7000万ドルを手にしたが、現在も4億ドル相当の株式とオプション、そして取締役の地位を保持している。訓練を受けたシェフであり、ほぼ常にカウボーイハットをかぶり、The Kitchenというレストラングループで4店舗(彼が住むコロラド州のボルダー店を含む)を共同設立、経営している。また、ドローンライトショーのスタートアップであるNova Sky Storiesを設立。顧客にはテスラが含まれている。

アントニオ・グラシアス
純資産 約22億ドル

イーロン・マスクのPayPal時代の同僚であるデイビッド・サックスのロースクール時代の同級生。2000年ごろ初めてマスクと出会った。シカゴを拠点とする彼の投資会社バロー・エクイティ・パートナーズは、テスラ(2005年)、スペースX(08年)、テスラに買収されるより前のソーラーシティ(12年)に初期投資を行った。08年にテスラが経営難に陥った際にはマスクに100万ドルを融資し、07年から20年までテスラの取締役を務めた。マスクとは親しい間柄で、家族旅行を共にするほど。グラシアスはマスクの個人資産の一部を管理しており、報道によると政府効率化省による社会保障制度改革の試みにも取り組んでいた。

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アイラ・エーレンプライス
純資産 約6億ドル

テスラが従業員50人で自動車生産を始めていなかったころに初めて出資したベンチャー投資家。2007年からテスラの取締役を務め、報酬委員会委員長。18年、558億ドルというマスクへの巨額の報酬案を追認したとして批判にさらされた。この報酬案は米デラウェア州の裁判官によって差し止められ、最終的に却下された。21年にテスラ株を売却、1億ドルの利益を得た。フォーブスの推計を否定するが、証拠書類は提出していない。

トーマス・ミュラー
純資産 約5億ドル

米アイダホ州の田舎で育ち、2002年にスペースXに最初の従業員として入社した。機械工学の修士号をもち、マスクと共に後にスペースXの最初のロケットとなるファルコン1の計画を練り上げた。推進技術エンジニアリングの責任者として、スペースXのファルコン打ち上げロケットとドラゴン宇宙船のエンジンの設計と開発を主導。20年に退社し、翌年、軌道間輸送機を開発するインパルス・スペースを創業した。

ザック・カークホーン
純資産 約4億4000万ドル

マッキンゼーでの勤務を経て、ハーバード大学でMBAを取得。2010年に財務アナリストとしてテスラに入社した。19年には、34歳でCFO(最高財務責任者)に就任した。21年にテスラが15億ドル相当のビットコインを購入した後には、マスクから「Master of Coin(コインの支配者)」という肩書を与えられた。その2年後には辞任し、保有していた株を売却して3億ドルを現金化し、ベイエリアに約743m2の家を2000万ドルで購入した。

キャスリーン・ウィルソン=トンプソン
純資産 約2億3000万ドル

超大手ドラッグストアチェーン、ウォルグリーンの人事担当幹部だったが、2018年にテスラの取締役会に独立取締役として参加した。これはマスクが証券取引委員会(SEC)と交わした「テスラを非公開化する」という合意の一部だった。20年以降、報酬としてえた株式を売却して1億ドルを手に入れたが、現在も1億2000万ドル相当の株式とオプションを保有している。自身の幸運はマスクの向こう見ずさのおかげだと話す。

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文=ジョン・ハイアット 翻訳=フォーブス ジャパン編集部 編集=森 裕子

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