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2025.05.12 08:15

聴覚障がい者がオフィスで感じる孤独をテックで解消へ

プレスリリースより

プレスリリースより

耳がまったく聞こえないろう者や極度に聞こえが悪い難聴者などの聴覚障がい者(ろう難聴者)は、オフィスで散発的に始まる雑談が耳に入らず、仲間に加われないことが多い。会議でも、誰が何を言ったかを把握しづらく業務に影響をきたすことがある。そこを改善しようと生まれた、複数人との会話を可視化するサービスを導入し検証する取り組みが、ろう難聴者の社会参加を支援する企業で始まった。

ろう難聴者は、会議や雑談の内容がわからないまま過ごしてしまうことがあり、会話に加われないことで「空気が読めない人」と誤解されたり、偶発的な雑談から生まれるチームの一体感やアイデア交換から疎外されるなどの困難があり、入社1年未満の離職する割合が3人に1人、昇進経験者の割合が16.6パーセント(肢体障がい者の約半分)、職種に偏りがあり平均給与は耳が聞こえる人の67パーセントと明確な格差があるという。

そこで、「優劣のものさしを変える」というミッションのもとでコミュニケーションに困難を抱える人たちの社会参加を支援する事業を展開するSilent Voice(サイレントボイス)は、メディアアーティストの落合陽一氏が代表取締役CEOを務めるピクシーダストテクノロジーズが開発した「VUEVO」(ビューボ)を社内で活用し、その効果を検証することにした。

VUEVOを使うと、オフィスなどで誰が何を話したかがリアルタイムで可視化される。画面には、自分を中心として、発言者の方向と発言内容が示される。利用者からは「発言からの文字起こしまでのタイムラグが少なく、聴者と同じスピードで話に入りやすかった」、「雑談を拾うことができるので、今、何の話をしているのかを聞き返さなくてもよかった」などと好評だ。Silent Voiceはこれを社内に常設し、ろう難聴者のコミュニティーへの参加意識の変化を検証、その成果を社外に公表し働きやすい環境作りのための知見を共有する。

今後はSilent VoiceがVUEVOの代理店となり、行政や企業との連携を強化して普及に努める予定だ。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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