テクノロジー

2025.05.05 14:00

通勤中に4人にひとりが被害、肩越しに画面を盗み見る「ショルダーハック」にご注意

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アップルが、100カ国のiPhoneユーザーにスパイウェアへの警告を発し、iPhoneがひそかに追跡されいないか確認する方法や、Apple Watchですらスパイに使われる可能性があるという助言を公表している今、私たちはテクノロジーに対し過度に疑心暗鬼になりつつあるのかもしれない。しかし「本当に誰かに監視されているなら、それは妄想ではない」という昔からの言い回しもある。新たな調査によれば、米国では4人にひとりが実際にスマートフォンの使用状況を誰かに盗み見されていたと報告されている。

誰かがあなたのスマホをスパイしている?

筆者は自分のスマートフォンが誰かにスパイされているとは考えていない。実のところ、私は毎日4台のスマートフォンを使っているが、いずれも監視されている心配はまずないと思っている。1台は脊髄刺激装置による痛みコントロール用インプラントのコントローラー専用に使っているiPhone、もう1台は使い捨てのAndroid端末、そして仕事用と家庭用のiPhoneだ。私の職業柄想像してもらえると思うが、セキュリティとプライバシーについては徹底的に保護している。外出先で端末を解除するときは顔認証か指紋認証だけを利用し、PINコードは絶対に入力しない。また、肩越しに盗み見られること(ショルダーハック)を防ぐため、すべてのスマートフォンにプライバシー保護用のスクリーンプロテクターを装着している。偏執的に思うかもしれないが、おそらくあなたも同じくらい警戒すべきだ。

米国人の25%が通勤中に画面を誰かに盗み見された経験

仮想プライベートネットワークを提供するNordVPNの調査によれば、米国人の25%が通勤中に自分のスマートフォンの画面を誰かに盗み見された経験、ショルダーハックの経験があると回答している。同じ調査によると、同じ25%が通勤時にスマートフォンで仕事関連の作業をしているという点を考えると、これは憂慮すべき数字である。さらに、米国人の72%が何らかの公共交通機関で通勤し、そのうち42%が通勤中に少なくとも1時間はスマートフォンを使用しているという統計もある。こうした背景を踏まえれば、19%が私と同様にプライバシー保護スクリーンプロテクターを導入して、盗み見リスクを軽減しているという結果もうなずける数字だ。

「もし公共交通機関でモバイルバンキングやパスワード入力など、機密性の高い情報にアクセスしているなら、犯罪者に自分をさらしている可能性があるのです」と、NordVPNの最高技術責任者であるマリユス・ブリエディスは述べている。もっとも、多くの場合、通勤者は退屈しのぎに好奇心から肩越しに画面を覗いているだけかもしれない。しかし、それでも「自分が気付かないうちに行動を監視されている可能性があるのです」というのが、ブリエディスの結論だ。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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