企業などのネットワークやソフトウェアの運用管理を行う技術者、いわゆる運用SEには夜勤がつきものだ。システムの運用は昼夜を問わず、突発的な問題が発生すれば深夜でも対処しなければならない。そんな技術者を夜勤から解放してくれるサービスが現れた。
SEは21世紀の過酷な職業の代表的存在であり、不規則な勤務で体調を崩す人も多い。せめてリモートワークができればと思うが、基幹システムの中核に外部からアクセスすることなど通常は許されない。安全な作業スペースを社外に設けるとしたら、現状では大掛かりなシステムが必要となり莫大な費用がかかる。そうしたわけで、運用SEは昼も夜も現場に出向いて作業しなければならない。

そこに希望の光をもたらしたのが、大手システムインテグレーターTISからスピンアウトし、高セキュリティワークスペースの開発と販売を行うスタートアップ、ユニファ・テックだ。同社は、運用SEの夜勤を解消するサービス「TELLAS」(テラス)の提供を開始した。簡単に言えば、カナダに第2の拠点を設け、運用SEの夜勤業務をその時間帯は昼間であるカナダのエンジニアにリモートで代行してもらうというものだ。じつに簡単な発想だが、これまでそんなサービスはなかった。技術的に困難だったからだ。

ユニファ・テックは2024年7月、世界初の自宅用セキュリティールーム「セキュアブース」の提供を開始した。床面積が1畳ほどの1人用のワークボックスなのだが、特許技術により幾重にもセキュリティー対策が施されている。現場との通信にはインターネットを使わないため外部からの割り込みも防げるという、金融機関向けのセキュリティー基準を満たしたワークボックスだ。「TELLAS」は、これがあってこそ実現したサービスというわけだ。
現在、ユニファ・テックでは「TELLAS」の実証実験参加企業を募集している。